2020年9月18日

とある出版社さんから入江波光の『画論』という本をお借りした。

思えば、先日、求龍堂が刊行した『近代京都日本画史』という書籍をふたば書房で購入して、心底驚いた。

ちょうど、竹内栖鳳のことを調べたいなと思っていたところで、『近代京都日本画史』に使われている栖鳳に関した文献にどんなものがあるかを探っていた時に、たまたま波光の『画論』という書籍を見つけた。

それだけでは全く驚かないが、その発行元になっている出版社を見て驚いたのである。

普段は心理学を主軸に活躍しておられる出版社だから、まさかこの版元(出版社)が出しているとは思わず、目を疑った。

おそらく同じ名称の版元があって、今はないということかと思ったが、居ても立っても居られず、

速攻その版元の方にご連絡。

調べてもらうと、まさにその出版社さんから出されているとの事だった。

波光は京都で絵を学んできた画人だから、この版元ともつながりがったのだろうが、いやはや驚きました。

 

とはいえ、現在では手に取ることが難しかったと思われる『画論』をお借りできたことは幸運なり。

波光はなかなか面白い人物で、自分という殻に固執するのが嫌い、もっと外の世界を見よと本の中でしつこく言っている。描いた絵も国内で評価されることに重点を置かずに、海外の人がどう見るかにこだわっていたよう。

「偏しない鑑賞眼を持った外国人が買いたくなるような絵を描きたいものです」と言っている。

個人的な話になるが、波光の絵が好きかどうかと言われると、苦手なんですね。

人物の眼が好きじゃないんですね。でも色使いはとてもきれいなものを見たことがある。